老夫婦の行く末
私はリハビリ職として、回復期病院、一般病院(慢性期)、デイサービス、特養、老人保健施設(今現在ここ)と色々なところで勤めてきました
こうして文字にすると職場転々としてるように見えますが、法人内の移動があったのです
今三箇所目の法人なので、職場の転職は3回目ということになります
やっぱり、どこにいても70歳以上、80歳以上が平均と言ってもいいくらい、高齢者ばかりです
色んな家族を見てきました
職業柄、家族の方との関わりって正直ほとんどないのですが、少ない中でも感じられる人間関係というものは濃いものがあります
家族構成とか、ちょっとした注意書きのメモコメントとかそういうのでも、この家族はこうなんやなぁ…って、想像できるものがあります
結論として
夫婦として長く連れ添うことが本当にいいのかわからない
ということ
いい、という言葉が適切かどうかわかりませんが
散々旦那さんが遊んで奥さんに迷惑かけて、奥さんは我慢してついて行っていた、という方がいたとすると、だいたいその旦那さんは一生奥さんに迷惑をかけ続けるでしょう
もしくは、耐え続けてきた奥さんが認知症になってしまって、一転して旦那さんが何もかもしなければいけなくなるが、何もやってきてないからてんやわんや、なんてこともあります
一例のようで事実です
夫婦だけど、奥さんが旦那さんのことが大嫌いで、施設に入ってる旦那さんに最小限の関わり(支払いなど)しかしない、なんてパターンもあります
また、夫婦でいることで、子供たちが両親の面倒を見てくれるかというと、そうではない
母親は好きだから面倒を見るけど、お父さんは嫌いだから最小限の関わりしかしません、とか
まぁそれなりにあります
子供からして、両親が夫婦だろうが離婚していようが死別していようが、いい親子関係であれば、それなりに気にかけてくれます
そもそも、子供は親の面倒を見るためにいるわけではありませんが、やっぱり子供のいない家庭の方が入院したり、施設に入ったりすると大変です
姪っ子や甥っ子がキーパーソンになったり、姪っ子の旦那さん(ほぼ他人?)がキーパーソンにならざるを得なくなったり
どうしようもない場合は後見人をつけたり
私は、正直子供がいることで私が歳をとった時、何かあったら連絡をつけてくれる人ができたとは思ってしまっています
直接の面倒を見てもらおうとは思ってませんが、手続きをしてくれる誰かがいてくれるのは、子供には申し訳ないけど安心感があるのです
これは、この仕事をしているからこそ感じてしまうものだと思ってもらいたいところ
誰にも迷惑をかけずに死ぬなんてレアケースです
迷惑と思うかどうかの程度は人それぞれでしょうが
なんていうか、我慢して一緒に連れ添った、というと美談のようだけど、本当にそうなのかなと思うのです
長くなると情で繋がっていくんだと、見聞きしますが、情の割合比率はいかほどか
色んな情があっても、愛情の割合が大きく占めていてこその夫婦であって欲しい
腐れ縁でもいいのかもしれない
切っても切れない縁があれば、連れ添う運命なのかも
長く連れ添うことが良いことのように思われると、離婚を選択した人の肩身が狭い
長く連れ添う選択をした夫婦よりも、離婚を選択した夫婦の方が悩んだ末の結論なのです
いろんな家族の形があるものです
夫婦であろうとなかろうと、いろんな人に支えられて、いろんな人のもと亡くなっていくのです